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発明発見シリーズ

真空管アンプ

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開発秘話~開発者のこぼれ話~

実験と改造

スピーカー背面で周波数特性の実験

 セルラスピーカーの背面には穴が空いています。この穴は、周波数特性実験を行うためのものです。
 周波数特性実験とは、「入力信号を一定にした状態で、周波数を変化させると出力がどう変わるか」を確かめる実験です。方法は、スピーカーの背面の穴に長さを変えたストローを取り付けます。こうすると逆位相(この場合は背面の空気振動を意味します)の周波数が変化します。

 とりつけるストローの本数や長さによってスピーカーから出る音がどう変化するか、自分の耳で確かめることができ、音質の変化が体感できます。

5極管から3極管への改造

 今回の開発で頭を悩ませたことのひとつに、クラシックな3極管方式か、その後主流となった5極管方式か、どちらを選択するか、という問題がありました。

 電力の増幅に使う「2P3」の場合、どちらにも使えます。最後まで悩みましたが、何度かの試作のあと、音量の取れる5極管方式を採用することに決めました。

 3極式は古典的な回路で5極式より音量は落ちますが、音質がよりソフトでなめらかになるといわれています。そこで、「3極管方式の方がいい」とおっしゃる上級者の方も想定し、はんだごてを使って簡単に改造できるような回路にしてあります。回路図は左の通りです。

 

こだわり

電子部品の配置

 今回の真空管アンプでは、「教材」としてアンプの役割を理解してもらうため、電子部品の配置にもこだわりました。

 アンプには必ず入力部分と出力部分があります。本キットでは、外部音響機器の信号が入ってくるRCA端子が入力部分、スピーカー端子が出力部分にあたります。電子部品の配置にあたっては、入力部分は前に、電気的な処理が進むにつれ、出力部分(背面)に近づくほど後ろにあるよう配慮しました。そのためにRCA端子が正面、スピーカー端子が背面となっています。

 電気が処理される過程は以下の通りです。
〔1〕RCA端子へ外部音響機器から電気信号(音源)が入力されます。
〔2〕ボリュームによって入力信号の全体の量を調整します。
〔3〕真空管(1B2)が入力信号の電圧を増幅します。
〔4〕真空管(2P3)が入力信号の電力(=電圧×電流)を増幅します。
〔5〕出力トランスで、増幅した信号をスピーカーのインピーダンスに合わせます。
〔6〕スピーカー端子から増幅した電気信号がスピーカーへ出力されます。

 〔1〕から〔6〕の処理が正面から背面へ電気信号が移動するに連れ、行われていきます。視覚的に電気処理の過程をイメージしていただけるものと自負しています。

こだわりの小道具

 かつて真空管は、繊細かつ高価な電子部品だったので、取り扱いには細心の注意が払われていました。「手の油がガラスに付くと割れやすくなる」という理由で手袋をつけて触るマニアもいたほどです。

 また、真空管の足が曲がったままで無理矢理ソケットにさすと、足が折れて真空管として機能しなくなってしまいます。そこで真空管の足をまっすぐにする器具「ピンストレートナー」が、真空管を扱う高級な装置にはたいてい付属していました。前回の製品版「真空管ラジオ」にも付けましたが、今回ももちろん付属しています。取り出した真空管の足をピンストレートナーにさし、まっすぐであることを矯正、確認してからソケットにさします。真空管マニアにとって、神聖な儀式のようなものです。
もちろん本製品でも必ず行っていただきたい作業です。

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