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第8回 本邦初!? 富士の頂にて、宇宙線「ミューオン」を霧箱でキャッチする!

宇宙線「ミューオン」はどこからどのようにやって来る?

宇宙線はたえず地上まで降り注いでいる。その数は、地上の机の上に1秒間に140個という多さだ。それでも、大気や地磁気の影響を受け地表に届くまでに宇宙線はどんどん弱くなっているという。そこで、できるだけ高いところへ登って、より多くのミューオンの飛跡を観察しようというのが今回の目的だ。



協力/名古屋大学太陽地球環境研究所教授 村木 綏

近いところでは、太陽からやってきている宇宙線だが、太陽系外からも多くの宇宙線が飛来している。質量の大きな星はやがて超新星爆発を起こして死ぬ。その爆発の際、大量の素粒子が放出されるが、それが宇宙線の起源だと考えられているのだ。

宇宙線はエネルギーが非常に大きく、地球まで光速に近いスピードで飛んでくる。これを一次宇宙線と呼んでいる。

この一次宇宙線が地球に降ると、空気の原子核とぶつかってエアシャワーという現象を起こし、バイオン(π粒子)やγ線を出す。

バイオンはミューオン(μ粒子)とニュートリノに変わり、一方γ線は電子になる。これら二次宇宙線と呼ばれるものは、大気を通過して地上まで降り注いでいる。ミューオンは電子のおよそ200倍の質量を持ち、大きなエネルギーを持っているため、霧箱の端から端まで届くくらいの長い飛跡を残す。

 
高度と放射線の強度の関係

かつて戸田先生は飛行機の客席にメーターを持ち込み、放射線量を調べたことがある。結果は飛行機の高度と放射線量が見事比例していたそうだ。

ところで飛行機の被爆は心配ないのだろうか。飛行機での被爆量は0.0032mSv(ミリシーベルト)だが、人間が1年間に浴びる自然放射線量の2.4mSvに比べるとかなり少ないため、まったく気にすることはない。

 
宇宙線「ニュートリノ」を観測する スーパーカミオカンデ

ニュートリノはミューオンよりも小さく、地球をもつきぬけてしまう宇宙線だ。光速に近いニュートリノが水分子中の陽子と衝突すると、衝撃波とともにチェレンコフ光という光が出る。岐阜県にあるスーパーカミオカンデでは、その光を光電子増倍管という感度の高い光センサーでとらえ、ニュートリノの観測をしている。

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