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大人の科学実験村 第1回 アルミを溶かしてバーベキュー

凹面鏡でバーベキュー、その結果は…

14.さっそく肉を焼きたいところだが、とりあえず卵で様子を見ることに。さて、温度はどこまで得られるのだろうか? 15.村民は打ちひしがれた…。太陽がかげってきてしまったのだ。温度は60℃以上には上がらず、ただ時が虚しく過ぎてゆく… 実験は、失敗に終わったのであった。それもこれも、雨男の湯本村長のせいなのか!?

 凹面鏡を太陽の日差しと直角になるように斜めに立て、その焦点にアルミの容器を吊るした。生卵を割って落とし入れる。焦点温度が70度あれば、容器全体に熱が広がり、目玉焼きができるはずだ。

 …だったのだが、しかし、実に残念至極である。焦点温度を計測してみたら約60度弱までしか上がらなかったのだ。㈰太陽がかげってきた、㈪そして俄かに風が吹き始め焦点の熱を奪った、㈫凹面鏡の研磨がやはりまだ不十分だった、と原因はいくつか考えられる。目玉焼きも焼けず、今回の実験は村民自らが真摯および正直に判定して、失敗に終わったと言わざるを得ない。が、失敗にもかかわらず、何故だか心地良い疲労感が心を和ませてくれた。

 備長炭の火で、焼肉大会へと移行する。山中の夜の闇に火の粉の蛍が飛んでいた。


16.天候は快晴! 顔が写るほど磨き上げた凹面鏡に紙を焦点にかざすと、あっという間に火がついた。 17.アルミホイルで作った容器に卵を落とし入れて見ると、じわじわと目玉焼きが完成した。

 ところで後日、快晴の日に多摩川の河川敷で追加実験を行い、目玉焼きを焼くことには成功した。完璧ピカピカに磨き上げた直径1mの巨大アルミ凹面鏡ならば、焦点温度は1500度以上に達し、鉄をポタポタと溶かす。その熱を利用すれば、調理・暖房など余りにも簡単。エネルギー危機の将来、大人の科学・実験村が開発・発売のアルミ凹面鏡が各家庭に一台というときが来るかもしれない、そしたらボロ儲けだな…と主任の西脇は呟きながら、加藤と分け合って目玉焼きを食ったのだった。…ホンマかいな?

注意:ここで紹介した実験は大変危険です。決してマネをしないでください。

発泡スチロールの鋳型で「実験村レリーフ作り」

 あまったアルミを使って、実験村のレリーフや、アクセサリー作りを行った! 発泡スチロールでレリーフなどの形を作り、鋳砂という砂の中に埋める。アルミが砂中に流れ込むための誘導口を砂に開け、溶けたアルミを流し込む。すると、発泡スチロールは完全に溶け、鋳砂の中にできた発泡スチロールの形状通りにアルミが入り、固まるのだ。
 村民一丸となって作った、実験村のレリーフは、鋳砂の固め方が弱かったためか、残念ながら少し崩れた形で出来上がってしまった。

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